しょっぱいものを食べたときに喉が渇くことはありませんか?これは、食塩に含まれるナトリウムにより起こることで、塩分の多いものをとると血液中のナトリウム濃度が上がります。私たちの体は濃度を薄めようとして水分をとり込むため、血液量が増え、血管の壁に負担がかかり血圧が高くなるのです。
「日本人の食事摂取基準」(2020年版 厚生労働省)では、食塩摂取量の目標は1日当たり男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。高血圧の場合は、1日6g未満が目標になります。しかし、世界保健機関(WHO)は、更に少ない5g未満を高血圧や心臓病予防のために推奨しています。日本は食塩摂取量の多い国であり、その背景には、塩や味噌、醤油などの塩分が多い調味料を使う食習慣があり、日本人の食塩摂取の約7割は調味料からとっているのです。また、これらの調味料を使って、野菜や魚を漬物や塩漬けにして保存する食文化の影響もあります。日本人の食塩摂取量の平均は、1999年の13.3gから20年後の2019年では10.1gと少しずつ減ってはいますが、まだまだ意識して減らしていく必要があります。そのため、減塩は高血圧の有無にかかわらず、すぐに始めたい取り組みになります。