普通は「労作性狭心症」といって労作時に起こります。つまり、急ぎ足で歩いたり、階段や坂道を登ったとき、またひどく興奮したときなどに胸の中央部が締め付けられるような圧迫感がでてきます。少し休むとおさまってしまうのが特徴です。痛みはしばしば左肩・腕や顎まで広がり、みぞおちに胃の痛みのように感じられることもあります。
息切れとして自覚されることもあります。痛みの場所はあまりはっきりしないのが一般的で、「この一点が痛い」と指で示せるような場合はあまり心配ないと思っていいでしょう。症状の持続時間は数十秒から数分です。もっと短い場合や一瞬であれば心配ないと思われます。
一方、「安静時狭心症」といって、同じような症状が労作と関係なく出現することがあります。これは「冠攣縮(かんれんしゅく)」、つまり冠動脈が痙攣様に収縮してしまい、動脈硬化で細くなったのと同じような狭窄を一時的に作り出すために起きる現象です。
狭心症が起こる場所や程度によって、痛みの強さや持続時間は異なります。狭心症は冠動脈の狭窄状況や発作の程度、頻度によって細かく分類されています。この狭心症がさらに進んで元に戻らなくなった状態が心筋梗塞です。